現代西洋経済史(2004年度冬学期)文献リスト
2004年10月18日
小野塚 知 二


 T群の3冊は必読。U群の4は経済史統計として簡便なもので、利用価値が高い。このほか、U〜X群から各1ないし2冊ずつ読めば、多少は複眼的な思考も養われるであろう。19世紀(第1次大戦まで)のヨーロッパ経済を概説したものは少ない(外国語でも同様)。20世紀のヨーロッパ経済については最近いくらか出てきたが、アメリカへの言及が概して薄いため、ここでは26と27を特に紹介しておく。このほか、各国別・時期別・テーマ別のモノグラフは膨大に(外国語ではほとんど無限に)あるから、関心のある者は相談されたい。VおよびW群に関する書物も最近続々と刊行されて、ここで到底網羅できない。V・Wについて外国語では、英語文献は限られており(37, 38の資料集は有益)、多くはヨーロッパ大陸の諸言語で書かれている。このリストの中で小野塚が書いているのは、16、28、34、35、57だが、ヨーロッパ統合史に関係するのは34と35だけである。

T 教科書に準ずるもの

 1 藤瀬浩司『新訂 欧米経済史 −資本主義と世界経済の発展−』日本放送出版協会、1999年.
 2 原輝史・工藤章編『現代ヨーロッパ経済史』有斐閣、1996年.
 3 H.ケルブレ『ひとつのヨーロッパへの道 −その社会史的考察− 』日本経済評論社、1997年.


U 19〜20世紀のヨーロッパ経済史に関する文献

 4 宮崎犀一・奥村茂次・森田桐郎編『近代国際経済要覧』東京大学出版会、1981年.
 5 E.J.ホブズボーム『市民革命と産業革命 −二重革命の時代− 』岩波書店、1968年.
 6 E.J.ホブズボーム『産業と帝国』未来社、1984年.
 7 E.J.ホブズボーム『資本の時代 1848-1875』1・2 みすず書房、1981,82年.
 8 E.J.ホブズボーム『帝国の時代 1875-1914』1(・2) みすず書房、1993年(訳書2は未刊).
 9 E.J.ホブズボーム『20世紀の歴史 −極端な時代− 』上・下 三省堂、1996年.
 10 E.J.ホブズボーム『ナショナリズムの歴史と現在』大月書店、2001年.
 11 藤瀬浩司『資本主義世界の成立』ミネルヴァ書房、1980年.
 12 権上康男・廣田明・大森弘喜編『20世紀資本主義の生成 −自由と組織化−』東京大学出版会、1996年.
 13 廣田功・森建資編著『戦後再建期のヨーロッパ経済 −復興から統合へ−』日本経済評論社、1998年.
 14 アムブロジウス/ハバード『20世紀ヨーロッパ経済史』名古屋大学出版会、1991年.
 15 廣田功・奥田央・大澤真理編『転換期の国家・資本・労働 −戦間期の比較史的研究−』東大出版会、1988年.
 16 秋元英一・廣田功・藤井隆至編『市場と地域 −歴史の視点から− 』日本経済評論社、1993年.
 17 工藤章編『20世紀資本主義U 覇権の変容と福祉国家』東京大学出版会、1995年.
 18 東京大学社会科学研究所『20世紀システム2 経済成長T 基軸』東京大学出版会、1998年.
 19 藤瀬浩司編『世界大不況と国際連盟』名古屋大学出版会、1994年.
 20 ベレンド/ラーンキ『ヨーロッパ周辺の近代 1780〜1914』刀水書房、1991年.
 21 ミシェル・ボー『資本主義の世界史 1500-1995』藤原書店、1996年.
 22 ハーバート・ファイス『帝国主義外交と国際金融 1870-1914』筑摩書房、1992年.
 23 ルネ・ジロー『国際関係史1871〜1914年 ヨーロッパ外交、民族と帝国主義』未来社、1998年.
 24 島田悦子『欧州経済発展史論 −欧州石炭鉄鋼共同体の源流−』日本経済評論社、1999年.
 25 篠原一『ヨーロッパの政治[歴史政治学試論]』東京大学出版会、1986年.
 26 秋元英一『アメリカ経済の歴史 1492-1993』東京大学出版会、1995年.
 27 柴田徳太郎『大恐慌と現代資本主義 −進化論的アプローチによる段階論の試み−』東洋経済新報社、1996年.
 28 奈倉文二・横井勝彦・小野塚知二『日英兵器産業史とジーメンス事件 −武器移転の国際経済史−』日本経済評論社、2003年.
 29 Lee A.Criag & Douglas Fisher, The Integration of the European Economy, 1850-1913, Macmillan, 1997.
 30 P.M.H.Bell, France and Britain 1900-1940: Entente and Estrangement, Longman, 1996.


V ヨーロッパ統合史に関する文献

 31 S.ポラード『ヨーロッパの選択 −経済統合への途 1815〜1970年− 』有斐閣、1990年.
 32 原輝史『EU経営史』税務経理協会、2001年.
 33 清水貞俊『欧州統合への道 −ECからEUへ−』ミネルヴァ書房、1998年.
 34 第17回よこはま21世紀フォーラム実行委員会『ヨーロッパ統合と日本』(『横浜市立大学論叢』社会科学系列第52巻第2号)、2001年2月.
 35 永岑三千輝・廣田功編『ヨーロッパ統合の社会史 −背景・論理・展望−』日本経済評論社、2004年.
 36 ロベール・フランク『欧州統合史のダイナミズム−フランスとパートナー国−』日本経済評論社、2003年.
 37 Trevor Salmon & Sir William Nicol eds., Building European Union: A Documentary History and Analysis, Manchester University Press, 1997.
 38 A.G.Harryvan & J.van der Harst eds., Document on European Union, Macmillan, 1997.
 39 P.M.H.Bell, France and Britain 1940-1994: The Long Separation, Longman, 1997.
 40 C. Wurm ed., Western Europe and Germany: The Beginnings of European Integration 1945-1960, Berg, 1995.
 41 Edmund Dell, The Schuman Plan and the British Abdication of Leadership in Europe, OUP, 1995.
 42 Martin J.Dedman, The Origins and Development of the European Union 1945-95, Routledge, 1996.
 43 R. Bideleux & R. Taylor eds., European Integration and Disintegration: East and West, Routledge, 1996.
 44 Hartmut Kaelble, Europäer über Europa; Die Entstehung des europäischen Selbstverständnisses im 19. und 20. Jahrhundert, Campus Verlag, Frankfurt a.M., 2001.


W EUの現状に関する文献

 45 佐々木隆生・中村研一編著『ヨーロッパ統合の脱神話化 −ポスト・マーストリヒトの政治経済学−』ミネルヴァ書房、1994年.
 46 島野卓爾・岡村堯・田中俊郎編著『EU入門 −誕生から、政治・法律・経済まで−』有斐閣、2000.
 47 内田勝敏・清水貞俊編著『EU経済論 −拡大と変革の未来像−』ミネルヴァ書房、2001年.
 48 岡伸一『欧州統合と社会保障 −労働者の国際移動と社会保障の調整−』ミネルヴァ書房、1999年.
 49 H.-E.シャーラーほか『ユーロとEUの金融システム』日本経済評論社、2003年.
 50 前田充康『EU拡大と労働問題』日本労働研究機構、1998年.
 51 濱口桂一郎『EU労働法の形成 −欧州社会モデルに未来はあるか?−』日本労働研究機構、1998年.
 52 田中俊郎『EUの政治』岩波書店、1998年.
 53 前田啓一『EUの開発援助政策』御茶の水書房、2000年.
 54 David Baker & David Seawright eds., Britain For and Against Europe: British Politics and the Question of European Integration, Clarendon Press, 1998.
 55 Gareth Dale & Mike Cole eds., The European Union and Migrant Labour, Berg, 1999.
 56 B.Laffan, R.O'Donnell & M.Smith, Europe's Experimental Union: Rethinking Integration, Routledge, 2000.


X その他の概説書

 57 馬場哲・小野塚知二編『西洋経済史学』東京大学出版会、2001年.
 58 石見徹『世界経済史』東洋経済新報社、1999年.
 59 関口尚志・梅津順一『欧米経済史 −近代化と現代−』放送大学教育振興会、1995年.
 60 神武庸四郎・萩原伸次郎『西洋経済史』有斐閣Sシリーズ、1989年.
 61 楠井敏朗・馬場哲・諸田實・山本通『エレメンタル西洋経済史』英創社、1995年.
 62 石坂昭雄・船山榮一・宮野啓二・諸田實『新版 西洋経済史』有斐閣双書、1993年.