経済史受講者にみたびひとこと(宿題について)
2005年6月8日
6月28日改訂
小野塚 知 二
T 小テストに代えて宿題を実施します
以前、「経済史受講者にひとこと、ふたこと」(2005年5月13日)で、小テストを実施するか否か決めかねていると書きましたが、小テストは実施しな
いことにしました。講義時間を削らなければならないデメリットが大きいと判断したからです。
その代わりに、宿題を課すことにします。内容や形式は、小テストに予定していたもの(あるいは数年前に実施した小テスト)とほぼ同一ですが、ノートや参
考文献を参照しながら、時間の制約なしに解答できるので解答欄はやや多めになっていますし、採点基準も小テストよりは厳格にするつもりです。
U 宿題の実施方法
実施方法は、第1回目に即していうなら、以下のとおりです。
6月23日の講義時に、宿題のプリントを出席者に配布します。各自持ち帰って、解答し、それを次回(6月30日の)講義時に提出していただきます。当日
出席できないことが予めわかっている場合は、当日午前中までの消印で、郵送してください(〒113-0033 文京区本郷7-3-1
東京大学経済学部 小野塚知二宛)。当日午後以降の消印で郵送されたものは無効です。30日の提出後、10分程度のTAセッションで宿題の解説があります。第2回以降も同様にして行います。
11月までに3回ほど実施するつもりです。各回、必ず、配布日を予告します。第2回は、7月7
日配布、14日回収・解説を予定していますが、決まり次第あらためてお知らせします。なお、7月11日(月)は木曜日の講義の振替日になっていますので、経済史の講義があります。また、14日は英語T試験日ですが、5時限目に経済史の補講を行います。
V 成績評価、宿題の目的、未提出などについて
宿題の得点は、最終的な成績評価にごくわずかだけ加味します。どの程度加味するかは宿題の得点分布を見てから決めますが、宿題の得点合計の平方根(か三乗根)に比例するようにして、若干、出席点ないし平常点の要素をもたせることになるでしょう。逆に言うと、宿題だけで大幅に「点を稼ぐ」ことはできません。成績評価の基本はあくまでも期末試験です。
この科目の年度末の成績評価百点満点中、小野塚の評価分は75点になりますが、宿題3回分の成績は平均的な方にとって、そのうちでおそらく数点分の重さ、たかだか10点ほどにしかならないはずです。
宿題を実施する目的は、受講者各自が、自分が何をどの程度理解しているのかを再帰的・反照的に知ること(と、副次的には、出欠状況のチェック)です。その結果、もし、講義内容の理解に不充分な点があると自覚したなら、自習で補うなり、どうしてもわからないところはあらためて質問するなりして、対処してください。興味をもったことがらについては、さらに深く調べてレポートを作成すればなお結構です。こうしたことをしておけば、期末試験がとんでもなく不本意な結果に終わることはないはずです。
宿題の総得点は、最終的な成績評価にはごく軽微にしか反映しませんから、宿題配布日に欠席を余儀なくされたとしても、そう気に病む必要はありません。翌週の解説で、問いに対してどのような答が求められているのかを知れば、宿題を解き提出したのとほぼ同様の効果が得られるでしょう。
逆に、日頃出席していないのに配布日だけやってきて、配布されるや退出するとか、講義終了後に来て追加配布を求めるとか、あるいは、一人一枚で満足せず、欠席した友人の分まで要求するとかしても、それだけではほとんど意味をもちません。しかも、そうした行いを繰り返していると人品を賤しくする虞れなしとしません。
大学での学習に抜け道や近道はありません。自分で学ぶしかないのです。講義やゼミは自学自習のためのきっかけや補助の役割を果たすに過ぎません。まして、宿題など、非常にささやかなきっかけでしかなく、そんなことのために、あさましいさまを見せるべきではありません。