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プログラムレポート ~「無」を考える:星空と座禅(第4期)~

2010年5月28日

1泊での「星空観望会」と「座禅研修」はEMPプログラムのハイライトの一つです。第4期EMPプログラムでは5月21日から22日にかけて実施されました。

5月21日(金)、午後4時に本郷赤門前から貸切バスは群馬県赤城山に向けて出発しました。車中でNHKスペシャル「ハッブル宇宙望遠鏡―宇宙の始まりに挑む」のDVDを観賞し、宇宙の謎にせまったところで、バスは赤城山の宿に到着。5月21日は今までにない快晴で、夜空には上弦の月が煌々と輝き星々が瞬いておりました。

理学系研究科天文学専攻の岡村定矩教授による解説を織り交ぜて、金星、土星を望遠鏡(屈折式、反射式各1台)で、月と散開星団プレセペを大型双眼望遠鏡(フジノン製)で見ました。土星の輪がとてもきれいでした。特に、大型双眼鏡で月のクレーターが鮮明に見えたことは感動的で、月面はデコボコ状態であることが確認できました。

星空観望の様子
星空観望の様子
大型双眼鏡で見た月のクレーター(デジカメで撮影)
大型双眼鏡で見た月のクレーター(デジカメで撮影)


星空観望会のあとは、室内で高梨直紘特任助教による国立天文台が開発した宇宙シミュレーションソフト「Mitaka」を用いて地球から宇宙の果てまでを俯瞰したプレゼンテーションがあり、私たちがどのような世界にいるのか理解が深まったようです。

5月22日(土)は、群馬県桐生市の臨済宗建長寺派宝徳寺での座禅と公案(禅問答)の実習です。これは東洋文化研究所の丘山新教授の「仏教思想」の講義の一環で、向嶽寺僧堂師家・小島岱山老師にご指導していただきました。ほとんどの受講生は座禅初心者で、午前9時から午後2時半までの6回(1回あたり30分)の座禅実習は脚の痺れや痛みもあったようですが、そんな痛みも方丈前の枯山水庭園、ウグイスや小鳥のさえずり、池で戯れる鯉の飛び交う音などに心を癒やされ、「無」を意識する時間を持てたことは貴重な体験でした。

座禅実習風景
座禅実習風景
座禅実習風景
座禅実習風景

宝徳寺の枯山水庭園
宝徳寺の枯山水庭園
座禅実習風景
昼の精進料理


「趙州無字の公案」では、普段使わない右脳を使い、回答に取り組むが、そう簡単に回答は出ない。「無(ムーーーー)」と叫んで、悟りを開いた人は何人いただろうか?既成の価値にとらわれず、自己の内面を探求するいい機会になったことでしょう。

壮大な宇宙を眺め、小宇宙という自己を探求し、「無」とは何かを考える2日間でした。

小島老師から「無」の色紙が全受講生に贈られた
小島老師から「無」の色紙が
全受講生に贈られた

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