お知らせ
プログラムレポート ~宇宙と「無」:星空と座禅(第7期)~
2012年5月31日
普段は座学がほとんどのEMPプログラムですが、5月18日(金)から19日(土)にかけて「星空観望会」と「座禅実習」が群馬県で実施されました。これは、プログラムの中で唯一の一泊の小旅行でもあります。
5月18日の夕方、新緑に囲まれた赤城山の中腹にある温泉旅館に到着。本郷を出るときは晴れていましたが、旅館に着いたときは曇り空で、天候を気にしながらの夕食会でした。しかし、星空観望の頃には幸運にも雲が切れて、満天の星空を観望することができました。
法政大学の岡村定矩教授(前東京大学理学系研究科教授)による解説で、土星、金星、プレセペ星団等をフジノン大型双眼望遠鏡(富士フイルム製)で見ました。特に、岡村教授の天空まで届くようなレーザーポインターで指しながら楽しそうに星を説明される姿に引き込まれ、皆、童心に返って星空を見上げていました。更に、倍率を上げた望遠鏡で土星の環が鮮明に見えたのは感動的でした。屋外での観望のあと、室内で高梨直紘特任助教による国立天文台が開発した4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka(ミタカ)」を用いたプレゼンテーションがあり、宇宙の広大さに驚きながらも、漠然と考えていた太陽系、銀河系、宇宙の大きさや位置関係などを理解していただいたようです。
翌日(5月19日)は清々しい五月晴れの下で、群馬県桐生市の臨済宗建長寺派宝徳寺で座禅と公案(禅問答)の実習がありました。向嶽寺僧堂師家・小島岱山老師指導による公案の実践は、受講生にとりかなりインパクトがあったようです。小島老師と一対一の公案は、先に問題が出され、それに答えるものですが、考えれば考えるほど分からない。知的理解は困難で、「なりきる」ことがヒントだそうです。 5時間もの座禅に耐えたあと、最後は茶礼で「手締め」の代わり、小島老師と一緒に「無(ムーーーー)」と叫んで、お開きとなりました。
自然との一体感を味わいながら、宇宙と身体を新緑の中で考える2日間でした。