お知らせ

プログラムレポート ~先端科学技術研究センター(駒場Ⅱキャンパス)見学(第7期)~

2012年7月27日

第7期EMPでは、7月3日に東京大学駒場Ⅱキャンパスにある先端科学技術研究センター(以下、先端研)の見学会を行いました。先端研にはさまざまな学問領域から先端的課題を扱う研究室が集まっており、そこで行われている研究活動の実際に触れてきました。

駒場リサーチキャンパス:時計塔がある13号館
駒場リサーチキャンパス:時計塔がある13号館

はじめに、先端研の中野義昭所長・教授から先端研における研究活動の概要について説明をしていただきました。それに引き続き、中野教授から「太陽光を機軸とした持続可能グローバルエネルギーシステム」の講義をしていただきました。

続いて、人間支援工学の中邑賢龍教授より「技術革新と未来の福祉」の講義がありました。障害のある人や高齢者に対しての心理学、工学、教育学等を融合した先端学際的アプローチによる支援技術やそこで得た知見をベースに、障害のある子どもの進学・就労支援活動「DO-IT Japan」や様々な社会的に困難な体験を有する人たちを語り部とする「Living Library」といった社会教育活動の取り組みについてもお話いただきました。

中野所長による先端研紹介
中野所長による先端研紹介
中邑教授による講義
中邑教授による講義


午前中の講師や午後の見学コースの研究者たちとの昼食会後、午後は三つのグループに分かれて、五つの研究室の見学をしました。 エネルギー・環境分野の瀬川研究室では、瀬川浩司教授から色素増感型太陽電池の展示物前でお話をうかがった後に、教養学部附属教養教育高度化機構の内田聡特任准教授の案内で、色素増感太陽電池(微小セル)の作製・評価実験現場とドライルーム内に構築した10cm角サブモジュールの自動化試作ラインを見学しました。

システム生物医学分野の児玉研究室では、山下雄史特任准教授から分子動力学シミュレーションによる創薬支援についての説明していただきました。その後、シミュレーションに使っているスーパーコンピューターを見学しました。

色素増感型太陽電池の展示物前で説明をする瀬川教授
色素増感型太陽電池の展示物前で説明をする瀬川教授
がんの再発・転移治療薬開発用スーパーコンピューターシステム
がんの再発・転移治療薬開発用
スーパーコンピューターシステム


人間支援工学分野の中邑研究室では、高橋智隆特任准教授によるヒューマノイドロボットのデモを見た後、未来社会のロボットの役割の話をうかがいました。家電ネットワークのインターフェイスとして、人とのコミュニケーションを担うヒューマノイドロボット開発のお話は、ヒューマノイドロボットの新しいメディアとしての可能性を感じさせられました。 続いて、巖淵守准教授から身の回りにあるテクノロジーを活用した様々な障害支援のデモとお話をうかがいました。

情報デバイス分野の中野研究室では、防塵服に着替えてクリーンルームに入り、渡辺健太郎特任助教より、高効率太陽電池の製造プロセスに必要となる、結晶成長装置・各種製膜装置・フォトリソグラフィーに 関するプロセス装置などを実際に見ながら説明していただきました。

乾電池のCMでおなじみの「エボルタ」のデモをする高橋特任准教授
乾電池のCMでおなじみの「エボルタ」
のデモをする高橋特任准教授
防塵服に着替えて、クリーンルームの中を見学
防塵服に着替えて、クリーンルームの中を見学


情報ネットワーク分野の森川研究室では、李斗煥(Lee, Doohwan)講師から実演を交えながら、電力の見える化、電力カラーリング、地震モニタリング等、社会基盤としてのICTに向けた様々な取り組みを紹介していただきました。さまざまなセンサーをネットワークに接続することで、生産性の向上のみならず、新たなアプリケーションやサービスの創出の可能性があることを見せていただき、将来の情報社会の一旦を垣間見ることができました。

リアルタイムワイヤレスについて説明する李講師
リアルタイムワイヤレスについて説明する李講師
森川研究室の地震モニタリング
森川研究室の地震モニタリング


今回の先端研見学会では、最先端の施設を活用し、「人間と社会に向かう先端科学技術の新領域開拓」の現場を垣間見ることができた一日でした。

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