お知らせ
プログラムレポート ~駒場キャンパスでの実験体験(第9期)~
2013年5月13日
EMP第9期では、2013年5月4日に東京大学教養学部がある駒場キャンパスで実験をしました。EMPプログラムの早期に理系の講義にも興味を持っていただけるよう、大学1-2年生がするような実験体験を第6期から組み入れています。
今回は、先に実験をし、そこで得たデータをもとに講義をする形式にしました。 昼食後、駒場キャンパスでは一番新しい建物「理想の教育棟」(KOMCEE: Komaba Center for Educational Excellence)から、駒場ではかなり古い建物である実験棟(6号館)へ移動。総合文化研究科 久我隆弘教授より「測定の基本」のミニレクチャーと、最初の実験「放射線計測」についての簡単な説明がありました。続いて久我教授と総合文化研究科 鳥井寿夫准教授の指導の下、ガイガー・ミューラー管を用いて放射線源からの放射線の測定を行いました。「測定時間が長いほど正確な測定ができる」ということについて、実際の測定と「不確かさ」の計算を行うことによって実感することができました。
また、霧箱を利用してα線の飛跡を直接観察するという体験もしました。普通では目にすることができない放射線ですが、飛行機雲のようにランダムに発生する放射線をはっきりととらえることができました。
その後、KOMCEEに移動し、「1の目の出る確率」というサイコロを使った実験をしました。実験後、データ解析と議論をし、「理論と測定結果が一致しない場合、測定が信頼できるのであれば理論に間違いがある」という講義の内容を実感することもできました。
実験の後、久我教授より「『測る』を究める―超精密測定最前線」の講義がありました。 実験・測定結果を振り返りながら、"測る"ことの基本を確認し、その"測った"結果の信頼性を客観的に解釈し、統計学的に評価する手法について学びました。また、現在もっとも高い信頼度で測定が行われている、時間・周波数標準の研究最前線についても紹介いただきました。
多くの受講生から、実際に測ってみることにより、頭でわかっているようなことが実験事実として直接観察・実感でき、またその限界も感じることができる貴重な機会だったという声が聞かれました。また、実験を先にやったことにより、講義の内容がより分かりやすかったようなので、今後もこの順序でやる予定です。