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プログラムレポート ~宇宙と「無」:星空観望と坐禅(第10期)~

2013年11月15日

紅葉の赤城山と中腹にある宿
紅葉の赤城山と
中腹(標高約900m)にある宿

EMPプログラムのハイライトの一つである「星空観望会」と「坐禅研修」が2013年11月8日から9日にかけて群馬県で行われました。
11月8日午後4時、本郷キャンパスから貸切バスで群馬県赤城山へ向けて出発し、午後6時半頃、赤城山中腹の宿に到着。月が山に隠れて見えなくなってしまうということで、宿に到着直後、まずは観望会場に直行しました。10分間という短い時間でしたが、美しい上弦の月を見ることができました。見る見る沈んでいく月の様子に歓声があがりました。

夕食後、法政大学の岡村定矩教授(前東京大学理学系研究科教授)による解説で、アンドロメダ銀河(M31)、プレアデス星団(すばる)の探し方を学び、岡村教授の天空まで届くようなレーザーポインターの導きにより、実際にそれらを肉眼やフジノン大型双眼望遠鏡(富士フイルム製)で見ることができました。 星空観望には絶好の天候に恵まれ、ほとんどの人が、地球から約230万光年の距離に位置するアンドロメダ銀河を肉眼で確認することができました。また、夏の大三角、カシオペヤ座等はもとより、ペルセウス座の二重星団、いるか座、くじら座、みなみのうお座、みずがめ座なども大変きれいに見えました。

星空観望会のあとは、室内で高梨直紘特任助教による国立天文台が開発した4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka(ミタカ)」を用いたプレゼンテーションがありました。地球から宇宙の果てまでを自由に移動して俯瞰し、最新の研究や観測にもとづいて宇宙の姿を描いた「宇宙図」と併せて見ることで、私たちがどのような世界にいるのか、更に理解が深まったようです。

星空観望の様子   星空観望の様子   星空観望の様子
星空観望の様子

翌日(11月9日)は、紅葉の赤城山をあとに、群馬県桐生市の臨済宗建長寺派宝徳寺に向かいました。向嶽寺僧堂師家・小島岱山老師による坐禅と公案(禅問答)の実習です。

茶禮で講話する小島老師
茶禮で講話する小島老師

小島老師による提唱のあと、いよいよ坐禅実習です。気温11~12度の中、方丈の戸を開け放しての約5時間の坐禅実習は、まさに「修行僧」になったような気持ちになりました。
小島老師との一対一の公案では、予め出された問いに対して、一人ひとり自分の考えを答えるものです。今回も代表的な『無門関』から「無字の公案」の他、「夜空に輝く あのアンドロメダ銀河を手を使わずに取ってみよ。つかみ取ったアンドロメダ銀河には何と書いてあるか。」という問いが出されました。
ヒントはアタマで考えるのではなく、創造的直観力で「対象存在と一つになる」ということだそうです。 この公案の実践は、ほとんどの受講生にとって初めての体験で、かなりインパクトがあったようです。帰りのバスの中でも公案についての話題で盛り上がりました。受講生からは、非日常的な体験を通し、体で感じ取っていくことの大切さを実感した貴重な経験となったという声が多く聞かれました。

座学から離れて、素晴らしい自然の中で、広大な宇宙を眺め、真実の自己(小宇宙)を見つめ直し、「無」とは何かを考える2日間となりました。

小島老師による提唱
小島老師による提唱
坐禅研修風景  座禅研修風景
坐禅研修風景


宝徳寺の紅葉と枯山水庭園  宝徳寺の紅葉と枯山水庭園  宝徳寺の紅葉と枯山水庭園

宝徳寺の紅葉と枯山水庭園     宝徳寺の紅葉と枯山水庭園
宝徳寺の紅葉と枯山水庭園
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