お知らせ
プログラムレポート ~先端科学技術研究センター(駒場Ⅱキャンパス)見学(第11期)~
2014年7月15日
EMP第11期では、7月11日に東京大学駒場リサーチキャンパスにある先端科学技術研究センター(以下、先端研)の見学を行いました。
先端研は、学術の発展と社会の変化から生じる新たな課題へ挑戦し、人間と社会に向かう先端科学技術の新領域を開拓することによって、科学技術の発展に貢献することを目的とした附置研究所です。「環境・エネルギー」「情報」「材料」「生物医化学」「バリアフリー」「社会科学」の六つの研究領域において、ダイナミックに研究活動が展開されており、そこで行われている研究活動の実際に触れてきました。
はじめに、先端研所長の西村幸夫教授から先端研における研究活動の概要についての説明がありました。それに引き続き、先端研の中邑賢龍教授から「技術革新と未来の福祉~生まれるバリアフリー・コンフリクトとその解消」、瀬川浩司教授からは「次世代有機系太陽電池の開発」というテーマで講義がありました。休み時間には、中邑教授の指導のもと、電動車椅子の試乗体験もしました。
午前中の講師や午後の見学コースの研究者たちとの昼食会後、午後は三つのグループに分かれて、五つの研究室の見学をしました。
バリアフリー領域 人間支援工学分野の中邑研究室では、高橋智隆特任准教授によるヒューマノイドロボットのデモとお話をうかがいました。その後、近藤武夫准教授の案内により、先導的障害者雇用推進プロジェクトの現場見学と説明がありました。
環境・エネルギー領域 エネルギー・環境分野の瀬川研究室では、久保貴哉特任教授から色素増感型太陽電池の展示物前で、研究開発の意義や目的などについて説明を聞いた後、色素増感太陽電池(微小セル)の作製・評価実験現場とドライルーム内に構築した10cm角サブモジュールの自動化試作ラインを見学しました。その後、屋上に設置された太陽電池パネルを見学しました。
情報領域 情報ネットワーク分野の森川博之研究室では、鈴木誠助教や大学院生の皆さんから、橋梁モニタリング、スマート農業、電波の見える化といったモノのインターネット時代のサービスとともに、センサネットワークや同一チャネル全二重通信アンテナなどの情報通信技術基盤について説明していただきました。
情報領域 生命知能システム分野の神崎亮平研究室では、神崎教授による昆虫の微小脳を調べる技術、つくる技術、そしてセンサやロボットへ利用する技術についてのミニレクチャーの後、カイコガを使った昆虫脳‐操縦方ロボットやコオロギを使った物体の接近による回避デモなどを見学しました。
材料領域 量子情報物理工学分野 中村・宇佐見研究室では、中村泰信教授より量子情報処理に向けたデバイス技術についての研究のお話を聞いた後、実験室の見学を行いました。
今回の先端研見学会では、最先端の施設を活用し、「人間と社会に向かう先端科学技術の新領域開拓」の現場を垣間見ることができた一日でした。