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プログラムレポート ~宇宙と「無」:星空観望と坐禅(第11期)~

2014年5月25日

赤城山中腹にある宿
新緑の赤城山と中腹
(標高約900m)にある宿

EMPのハイライトの一つである「星空観望会」と「坐禅実修」が2014年5月16日から17日にかけて群馬県で行われました。
5月16日午後4時に本郷キャンパスを出発して貸切りバスに揺られること約3時間、赤城山中腹の宿に到着。本郷を出るときは曇り空でしたが、星空観望の頃には幸運にも雲が切れて、美しい星空を観望することができました。

法政大学の岡村定矩教授(東京大学名誉教授、前 大学院理学系研究科教授)による解説で、北斗七星から北極星、春の大曲線、そして、春の大三角の探し方を学び、土星、火星、プレセペ星団等を肉眼やフジノン大型双眼望遠鏡(富士フイルム製)で見ました。特に、岡村教授の天空まで届くようなレーザーポインターで指しながら楽しそうに星を説明される姿に引き込まれ、皆、童心に返って星空を見上げていました。更に、倍率を上げた望遠鏡で土星の環が鮮明に見えたのは感動的でした。

星空観望の様子  星空観望の様子  星空観望の様子
星空観望の様子

宇宙図の説明をする高梨特任准教授
宇宙図の説明をする
高梨特任准教授

星空観望会のあとは、室内で高梨直紘特任准教授による国立天文台が開発した4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka(ミタカ)」を用いたプレゼンテーションがありました。地球から宇宙の果てまでを自由に移動して俯瞰し、最新の研究や観測にもとづいて宇宙の姿を描いた「宇宙図」と併せて見ることで、私たちがどのような世界にいるのか、更に理解が深まったようです。

翌日(5月17日)も天候に恵まれ、新緑の赤城山をあとに、群馬県桐生市の臨済宗建長寺派宝徳寺に向かいました。

今回の坐禅・公案の提唱のメインテーマは「数字」。小島岱山老師から「数字」の禅的哲学についての提唱のあと、いよいよ坐禅と公案(禅問答)の実習です。

茶禮で講話する小島老師
茶禮で講話する小島老師

小島老師との一対一の公案では、予め出された問いに対して、一人ひとり自分の考えを答えるものです。今回も代表的な『無門関』の「無字の公案」から問いが出されました。いったい何と答えてよいのやら、考えれば考えるほど分からなくなる問いですが、ヒントはアタマで考えるのではなく、創造的直観力で「主客一体」となるということだそうです。 この公案の実践は、ほとんどの受講生にとって初めての体験で、小島老師との熱い対話はかなりインパクトがあったようです。受講生からは、非日常的な体験を通し、体で感じ取っていくことの大切さを実感した得がたい体験だったという声が多く聞かれました。

普段の座学から離れ、夜空の下で壮大な宇宙に考えを馳せ、自然との一体感を味わいながら、坐禅や公案を通して自己の小宇宙を探求した2日間でした。

坐禅実修風景  坐禅実修風景
坐禅実修風景
独参(老師との一対一問答)の順番を待つ
正座で独参(老師との一対一問答)
の順番を待つ


宝徳寺と枯山水庭園  宝徳寺と枯山水庭園  宝徳寺と枯山水庭園

宝徳寺と枯山水庭園     宝徳寺と枯山水庭園
宝徳寺と枯山水庭園
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