お知らせ
プログラムレポート ~生産技術研究所見学(第12期)~
2015年1月20日
第12期プログラムでは1月16日、駒場リサーチキャンパスにある東京大学生産技術研究所の施設見学を行いました。
生産技術研究所は、1949年の創設以来、一貫して工学のほぼ全領域を広くカバーする研究教育活動を展開しています。「生産技術」の名前の通り、それぞれの分野において卓越した研究成果の創出と社会への発信・還元を実践し、産学連携の活動を展開しているユニークな研究所です。
見学に先立ち、生産技術研究所所長の中埜良昭教授から生産技術研究所の概要説明があり、その後、野城智也教授から「サステナブル建築」、澤田賢治客員教授からは「鉱物資源と資源経済」というテーマで講義がありました。
昼食会の後は、3つのグループに分かれて、酒井康行研究室、加藤信介研究室、喜連川(きつれがわ)優・豊田正史研究室、山中俊治研究室を見学しました。
酒井研究室では、組織および臓器移植などの再生医療の実現や医療品・化学薬品・食品添加物などの新規化合物の影響評価への実用化を目指し、幹前駆細胞の大量増幅および分化制御技術の確立・埋め込み型生体組織の構築・細胞アッセイ系の開発について研究しています。小森喜久夫助教より「再生医療や細胞アッセイのための幹前駆細胞増幅と組織化」について実験基材を見せながら、説明していただきました。
サステナブル社会の建物内外の空気環境制御について研究をしている加藤研究室では、風洞模型実験に基づく都市の風環境について説明していただきました。受講生の一部は秒速20メートルの風が吹く「環境無音風洞実験装置」に入り、風の強さを体験しました。
喜連川・豊田研究室では、データベース技術を基盤とし、超大規模ウェブマイニングをはじめとするデータ工学の課題に対し、システムソフトウェア、先進アプリケーション、ハードウエア、アルゴリズムにわたる あらゆる観点から研究を進めています。ブログやツイッター等に書き込まれたキーワードを自然言語処理等を用いて、その構造、内容、時間変化を解析して可視化したものを大規模ディスプレーウォールに映しながら、話を聞きました。
プロトタイピング&デザイン・ラボラトリーである山中研究室では、デザインの先導的な役割をさらに強化し、様々な研究者や企業と連携して、技術開発の可能性を模索するプロトタイプを制作し、未来の人工物のありかたを研究しています。山中教授の説明の後、ギャラリーで東京大学の先端研究をデザインし展示する企画「Research Portrait01: チタン/3Dプリンティング(展示は既に終了しています)」を見学しました。
量子レベルのミクロの世界から地球規模のマクロの世界まで、幅広い分野にまたがる研究室を訪問したことで最先端の実践技術に触れ、産学連携の最前線を体感することができた大変有意義な一日となりました。