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プログラムレポート ~先端科学技術研究センター見学(第13期)~

2015年7月15日

駒場リサーチキャンパス:時計塔がある13号館
駒場リサーチキャンパス:
時計塔がある13号館

EMP第13期では、7月10日に東京大学駒場リサーチキャンパスにある先端科学技術研究センター(以下、先端研)の見学を行いました。
先端研は、学術の発展と社会の変化から生じる新たな課題へ挑戦し、人間と社会に向かう先端科学技術の新領域を開拓することによって、科学技術の発展に貢献することを目的とした附置研究所です。「環境・エネルギー」「情報」「材料」「生物医化学」「バリアフリー」「社会科学」の六つの研究領域において、ダイナミックに研究活動が展開されており、そこで行われている研究活動の実際に触れてきました。

はじめに、先端研所長の西村幸夫教授から先端研における研究活動の概要についての説明がありました。それに引き続き、先端研の中邑賢龍教授から「バリアフリー ~スマホ時代の学び方・働き方~」、瀬川浩司教授からは「次世代有機系太陽電池の開発」というテーマで講義がありました。

西村所長による先端研紹介
西村所長による先端研紹介
中邑教授による講義
中邑教授による講義
瀬川教授による講義
瀬川教授による講義


午前中の講師や午後の見学コースの研究者たちとの昼食会後、午後は三つのグループに分かれて、五つの研究室の見学をしました。
情報領域 情報デバイス分野の山下真司研究室では、光ファイバ通信およびセンシングのための光ファイバやレーザなどの光デバイスとそれらを応用したシステムの研究を行なっています。山下教授から、ナノカーボン素子を用いた超短パルス光ファイバレーザ、超高速波長可変光ファイバレーザとその光CT(OCT)応用など、最近の成果の説明を聞いた後、OCTシステムや3次元計測システムのデモを見学しました。

バリアフリー領域 人間支援工学分野の中邑研究室では、学際的、社会活動型アプローチによりバリアフリー社会の実現を目指し、身の回りにあるテクノロジーをいかに利用するかに焦点を当てたリアリティある研究を行っています。
この研究室では、近藤武夫准教授の案内により、先導的障害者雇用推進プロジェクトの現場見学と説明がありました。その後、高橋智隆特任准教授によるヒューマノイドロボットのデモとお話をうかがいました。

光ファイバについて説明する山下教授
光ファイバについて説明する山下教授
近藤准教授による先導的障害者雇用推進プロジェクトの説明
近藤准教授による先導的障害者
雇用推進プロジェクトの説明
高橋特任准教授とヒューマイノイドロボット「Robi」
高橋特任准教授と
ヒューマイノイドロボット「Robi」


環境・エネルギー領域 エネルギー・環境分野の瀬川研究室では、久保貴哉特任教授から色素増感型太陽電池の展示物前で説明を聞いた後、色素増感太陽電池(微小セル)の作製・評価実験現場とドライルーム内に構築した10cm角サブモジュールの自動化試作ラインを見学しました。

生物医科学領域 ゲノムサイエンス分野の油谷浩幸研究室では、次世代シーケンサーやマイクロアレイ解析を用いて包括的に取得したゲノム、エピゲノム、トランスクリプトームなどの多重な生命情報を統合することによって、生命現象とりわけ癌などの疾患をシステムとして理解することを目指しています。堤修一特任准教授からゲノム解析の原理の説明と医療応用の解説を聞いた後、ゲノム解析装置を見学しました。

材料領域 極小デバイス理工学分野の年吉 洋研究室では、半導体加工技術を応用して、シリコン基板上に微細な電気機械構造を集積化するMEMS技術(Micro Electro Mechanical Systems)の設計・製作に関する基礎研究と、MEMSデバイスの光ファイバ通信、レーザー走査型プロジェクション画像ディスプレィ等の微小光学への応用研究を行っています。年吉教授から、MEMSの解説を聞いた後、MEMSの画像ディスプレィ応用や振動発電型エナジー・ハーベスタのデモを見学しました。

色素増感太陽電池の作製について解説をする久保特任教授
色素増感太陽電池の作製について
解説をする久保特任教授
ゲノム解析装置の前で説明する堤特任准教授
ゲノム解析装置の前で説明する
堤特任准教授
MEMSについて説明する年吉教授
MEMSについて説明する年吉教授


今回の先端研見学会では、最先端の施設を活用し、「人間と社会に向かう先端科学技術の新領域開拓」の現場を垣間見ることができた一日でした。

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