お知らせ
プログラムレポート ~生産技術研究所見学(第14期)~
2016年1月18日
第14期プログラムでは1月15日、駒場リサーチキャンパスにある東京大学生産技術研究所の施設見学を行いました。
生産技術研究所は、1949年の創設以来、一貫して工学のほぼ全領域を広くカバーする研究教育活動を展開しています。「生産技術」の名前の通り、それぞれの分野において卓越した研究成果の創出と社会への発信・還元を実践し、産学連携の活動を展開しているユニークな研究所です。
見学に先立ち、所長の藤井輝夫教授から生産技術研究所の概要説明があり、その後、澤田賢治客員教授から「鉱物資源と資源経済」、前田正史教授からは「資源・環境問題と科学技術(熱力学)」というテーマで講義がありました。
昼食会の後は、3つのグループに分かれて、川添善行研究室、山中俊治研究室、加藤信介研究室、浅田昭研究室を見学しました。
川添研究室では、建築の普遍性と固有性の問題、地域の動的な風景の中で建築をつくることの可能性、建築の時間論をテーマに研究しています。川添准教授より「建築の可能性」について、東京大学 総合図書館の改修および新館の設計など、手がけているプロジェクトの話を交えて説明していただきました。
プロトタイピング&デザイン・ラボラトリーの山中研究室では、デザインの先導的な役割をさらに強化し、様々な研究者や企業と連携して、技術開発の可能性を模索するプロトタイプを制作し、未来の人工物のありかたを研究しています。説明の後、ギャラリーで、複雑な造形が生み出す複雑なスキマをテーマにした「スキマのかたち」の展示を見学しました。
サステナブル社会の建物内外の空気環境制御について研究をしている加藤研究室では、風洞模型実験に基づく都市の風環境について説明していただきました。受講生たちは秒速20メートルの風が吹く「環境無音風洞実験装置」に入り、風の強さを体験しました。
浅田研究室では、音が啓く海洋先進技術の研究開発:音で視る水中セキュリティソーナーシステム、海中ロボットを使った海底地殻変動計測システム、水中映像・形状を捉える音響計測システム、海底下をマッピングする合成開口ソーナーシステムなどの研究開発を行っています。説明の後、水中音響ソナーや水中音響ビデオカメラ等の機器などを見学しました。
量子レベルのミクロの世界から地球規模のマクロの世界まで、幅広い分野にまたがる研究室を訪問したことで最先端の実践技術に触れ、産学連携の最前線を体感することができた大変有意義な一日となりました。