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プログラムレポート ~宇宙と「無」:星空観望と坐禅(第19期)~

2018年5月29日

新緑に囲まれた赤城山中腹(標高約900m)にある宿
新緑に囲まれた赤城山
中腹(標高約900m)にある宿

EMPのハイライトの一つである「星空観望会」と「坐禅実習」が2018年5月25日から26日にかけて群馬県で行われました。
5月25日午後3時すぎに貸切りバスで、本郷キャンパスを出発して、午後6時半頃に赤城山中腹の宿(標高約900m)に到着。星空観望には絶好の天候に恵まれました。

夕食後、岡村定矩名誉教授(東大EMPチェアマン補佐)による解説で、木星と月をフジノン大型双眼望遠鏡(富士フイルム製)で見ました。
岡村名誉教授の天空まで届くようなレーザーポインターで指しながら楽しそうに星を説明される姿に引き込まれ、皆、童心に返って星空を見上げていました。特に、大型双眼鏡で木星とその周囲を回る4つのガリレオ衛星のうち3つが一直線に並んだ様子や、月のクレーターが鮮明に見えたのは大変感動的でした。

星空観望の様子 星空観望の様子
星空観望の様子
クレーターがはっきり見える十一夜の月
クレーターがはっきり見える十一夜の月
(デジカメで撮影)


Mitakaを使って説明をする
高梨特任准教授
によるプレゼンテーション

屋外での観望のあと、室内で高梨直紘特任准教授による国立天文台が開発した4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka(ミタカ)」を用いたプレゼンテーションがありました。地球から宇宙の果てまでを自由に移動して俯瞰し、最新の研究や観測にもとづいて宇宙の姿を描いた「宇宙図」と併せて見ることで、私たちがどのような世界にいるのか、更に理解が深まったようです。

翌日(5月26日)も朝から五月晴れ。新緑の赤城山をあとに、群馬県桐生市の臨済宗建長寺派宝徳寺に向かいました。真義臨済宗 管長、元臨済宗大本山向嶽寺 僧堂師家・小島岱山老師による「三聖円融思想(仏教の実践思想の根本)」についての提唱、坐禅と公案(禅問答)の実習です。提唱では、「選択・決断・実行」の重要性を学びました。

茶禮で講話する小島老師
茶禮で講話する小島老師

小島老師との一対一の公案では、予め出された問いに対して、一人ひとり自分の考えを答えるものです。今回も代表的な『無門関』から「無字の公案」の他、「夜空に輝く あの土星を手を使わずに取ってみよ。つかみ取った土星には何と書いてあるか」という問いが出されました。 この公案の実践は、ほとんどの受講生にとって初めての体験で、禅の奥深さと主客一体、不思議な感覚などを体験できた貴重な経験となったようです。

5時間にもおよぶ坐禅実習は、脚の痺れや痛みもありましたが、方丈前の枯山水庭園、ウグイスや小鳥のさえずり、池で戯れる鯉の飛び交う音などに心を癒やされ、「無」を意識する時間を持つことができました。

最先端の知を学ぶ座学から離れ、夜空の下で壮大な宇宙に考えを馳せ、自然との一体感を味わいながら、坐禅や公案を通して自己の小宇宙を探求した2日間でした。

坐禅実修風景 坐禅実修風景
坐禅実習風景
正座で独参(老師との一対一問答)
正座で独参(老師との一対一問答)
の順番を待つ


宝徳寺と枯山水庭園 宝徳寺と枯山水庭園 宝徳寺と枯山水庭園

宝徳寺と枯山水庭園    宝徳寺と枯山水庭園
宝徳寺と枯山水庭園
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