お知らせ
プログラムレポート ~生産技術研究所見学(第20期)~
2019年1月26日
第20期プログラムでは1月18日、駒場リサーチキャンパスにある東京大学生産技術研究所の施設見学を行いました。
生産技術研究所は、1949年の創設以来、一貫して工学のほぼ全領域を広くカバーする研究教育活動を展開しています。「生産技術」の名前の通り、それぞれの分野において卓越した研究成果の創出と社会への発信・還元を実践し、産学連携の活動を展開しているユニークな研究所です。
見学に先立ち、所長の岸利治教授から生産技術研究所の概要説明があり、その後、野城智也教授から「建築とイノベーション」、喜連川優教授からは「ビッグデータの時代」というテーマで講義がありました。
昼食会の後は、見学に先立って、新野俊樹教授から「価値創造デザイン推進基盤」の概要説明をしていただきました。
その後、3つのグループに分かれて、大岡龍三・菊本英紀研究室、価値創造デザイン推進基盤、松永行子研究室、巻俊宏研究室の各研究室を見学しました。
サステナブル社会の建物内外の空気環境制御について研究をしている大岡・菊本研究室では、風洞模型実験に基づく都市の風環境について説明していただきました。受講生たちは秒速20メートルの風が吹く「環境無音風洞実験装置」に入り、風の強さを体験しました。
価値創造デザイン基盤では、生産技術研究所とイギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートが協同で行うプロジェクトとして、2016年12月に設立されたRCA-IIS Tokyo Design Labを見学しました。 マイルス・ペニントン教授による説明の後、生産技術研究所で行われている研究の中から先端技術シーズを見つけ出し、アイデアを発展させて作成したプロトタイプの展示を見学しました。
松永研究室では、細胞・タンパク質・生体高分子などの生体関連要素を、人工的に組み立て・配置することで,高次な三次元組織構造を作製する「ボトムアップ組織工学」に関する研究を進めています。松永准教授による毛細血管と健康に関する説明の後、毛細血管スコープを使った指先の毛細血管の可視化を体験しました。
巻研究室では、最先端のロボット工学と情報処理技術を駆使して、新たな海中海底探査システムの提案、特に、AUV (Autonomous Underwater Vehicle, 自律型海中ロボット)をはじめとする複数の自律プラットフォームの連携により、船舶をベースとするこれまでの観測手法では考えられなかったような広範囲・高精度・長期間の海底観測を可能とするシステムの実現を目指しています。自律型海中ロボット「Tri-TON 2(トライトン 2)」を試験水槽に入れた実演では、コンピュータからの指示が届かない水中で、ロボット自らが状況を判断して動く様子を間近で見ることができました。
分子レベルのミクロの世界から都市規模のマクロの世界まで、幅広い分野にまたがる研究室を訪問したことで最先端の実践技術に触れ、産学連携の最前線を体感することができた大変有意義な一日となりました。