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プログラムレポート ~先端科学技術研究センター見学(第21期)~

2019年7月10日

EMP第21期では、7月5日に東京大学駒場リサーチキャンパスにある先端科学技術研究センター(以下、先端研)の見学を行いました。
先端研は、学術の発展と社会の変化から生じる新たな課題へ挑戦し、人間と社会に向かう先端科学技術の新領域を開拓することによって、科学技術の発展に貢献することを目的とした附置研究所です。「環境・エネルギー」「情報」「材料」「生物医化学」「バリアフリー」「社会科学」の六つの研究領域において、ダイナミックに研究活動が展開されています。先端研所長の神崎亮平教授からそれらの研究活動について詳しい紹介がありました。

駒場リサーチキャンパス:<br>時計塔がある13号館
駒場リサーチキャンパス:
時計塔がある13号館
神崎所長による先端研紹介
神崎所長による先端研紹介

最初に、先端研の中邑賢龍教授より「バリアフリー ~ユニークさを活かすスマホ時代の学び方・働き方~」についての講義があった後、池内 恵教授からは「中東・イスラーム世界の政治と思想~ペルシア湾岸の政治・社会・安全保障と日本〜」というテーマで講義がありました。

中邑教授による講義
中邑教授による講義
池内教授による講義
池内教授による講義

午前中の講師や午後の見学コースの研究者たちとの昼食会後、午後は三つのグループに分かれ、四つの研究室の見学をしました。

環境・エネルギー領域 エネルギー・環境分野の瀬川研究室では、久保貴哉特任教授から、次世代太陽電池の展示物前で、低コストプロセスで高効率発電が可能なペロブスカイト太陽電池などの説明を聞いた後、ペロブスカイト太陽電池(微小セル)の作製・評価実験現場とドライルーム内に構築した10cm角色素増感太陽電池サブモジュールの自動化試作ラインを見学しました。

色素増感太陽電池の作製について解説をする久保特任教授
ペロブスカイト太陽電池の作製について
解説をする久保特任教授
色素増感太陽電池の作製現場を説明する別所毅隆特任講師
色素増感太陽電池の作製現場を説明する
別所毅隆特任講師

情報領域 生命知能システム分野の神崎研究室では、昆虫科学が拓く新しい科学と技術について研究しています。照月大悟特任助教と加沢知毅特任研究員の案内で、昆虫の微小脳を調べる技術、つくる技術、そして匂いバイオセンサやロボットを構築する技術についての説明を聞き、実験室の見学をしました。

昆虫の微小脳について説明する加沢特任研究員
昆虫の微小脳について説明する加沢特任研究員
昆虫嗅覚受容体を利用した匂いバイオセンサ開発について説明をする照月特任助教
昆虫嗅覚受容体を利用した匂いバイオセンサ開発
について説明をする照月特任助教

バリアフリー領域 人間支援工学分野の中邑・近藤研究室では、学際的、社会活動型アプローチによりバリアフリー社会の実現を目指し、身の回りにあるテクノロジーをいかに利用するかに焦点を当てたリアリティある研究を行っています。近藤武夫准教授から先導的障害者雇用推進プロジェクトや、障害のある若者の中から未来社会のリーダーとなる人材を育てることを目指す「DO-IT Japan プログラム」についての説明を聞きました。

材料領域 量子情報物理工学分野 中村・宇佐見研究室では、量子力学の原理に基づいた新しい情報処理・通信・高精度計測などを目指す量子情報科学の発展に、物理と工学の側面から取り組んでいます。杉山太香典特任助教による量子情報処理に向けたデバイス技術研究のミニ講義の後、宇佐見康二准教授から実験室の説明がありました。

近藤准教授による「DO-IT Japan プログラム」の説明
近藤准教授による
「DO-IT Japan プログラム」の説明
実験室を説明する宇佐見准教授
実験室を説明する宇佐見准教授
量子情報処理に向けたデバイス技術について説明する杉山特任助教
量子情報処理に向けたデバイス技術について説明する杉山特任助教


今回の先端研見学会では、最先端の施設を活用し、「人間と社会に向かう先端科学技術の新領域開拓」の現場を垣間見ることができた一日でした。

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