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プログラムレポート ~宇宙と「無」:星空観望と坐禅(第21期)~

2019年5月29日

新緑に囲まれた赤城山中腹(標高約900m)にある宿
新緑に囲まれた赤城山
中腹(標高約900m)にある宿

EMPのハイライトの一つである「星空観望会」と「坐禅実習」が2019年5月24日から25日にかけて群馬県で行われました。
5月25日午後3時すぎに貸切りバスで、本郷キャンパスを出発して、午後6時半頃に赤城山中腹の宿(標高約900m)に到着。かつてないほどの快晴で、星空観望には絶好の天候でした。

夕食後、室内で高梨直紘特任准教授による国立天文台が開発した4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka(ミタカ)」を用いたプレゼンテーションがありました。地球から宇宙の果てまでを自由に移動して俯瞰し、最新の研究や観測にもとづいて宇宙の姿を描いた「宇宙図」と併せて見ることで、私たちがどのような世界にいるのか、更に理解が深まったようです。

小島老師による提唱
高梨特任准教授
によるプレゼンテーション
星空観望の様子  星空観望の様子
星空観望の様子


今回の目標である木星が観え始める午後10時30分すぎから、外へ出て星空観望会の会場に移動。岡村定矩名誉教授(東大EMPチェアマン補佐)による解説で、木星やヘルクレス座にある球状星団 M13等をフジノン大型双眼望遠鏡(富士フイルム製)で観ました。岡村教授がポインターで星を指しながら楽しそうに説明される姿に引き込まれ、皆、童心に返って星空を見上げていました。特に、木星の縞模様やその周囲を回るガリレオ衛星が一直線に並んだ様子、周りの星とは明らかに違うM13の大きく丸い光芒が大型双眼鏡で見えたのは大変感動的でした。

翌日(5月25日)も朝から汗ばむほどの五月晴れ。新緑の赤城山をあとに、群馬県桐生市にある臨済宗建長寺派宝徳寺に向かいました。真義臨済宗 管長、元臨済宗大本山向嶽寺 僧堂師家・小島岱山老師による「絶対無の哲学」についての提唱、坐禅と公案(禅問答)の実習です。

茶禮で講話する小島老師
茶禮で講話する小島老師

小島老師との一対一の公案は、予め出された問いに対して、一人ひとり自分の考えを答えるものです。今回も代表的な『無門関』から「無字の公案」の他、「夜空に輝く あの月を手を使わずに取ってみよ。つかみ取った月には何と書いてあるか」という問いが出されました。 この公案の実践は、ほとんどの受講生にとって初めての体験で、禅の奥深さと主客一体の感覚などを体験できた貴重な機会となったようです。

5時間にもおよぶ坐禅実習は、暑さや足の痺れや痛みもありましたが、方丈前の枯山水庭園、小鳥のさえずり、池で戯れる鯉の飛び交う音などに心を癒やされ、「無」を意識する時間を持つことができました。

最先端の知を学ぶ座学から離れ、夜空の下で壮大な宇宙に考えを馳せ、自然との一体感を味わいながら、坐禅や公案を通して自己の小宇宙を探求した2日間でした。

坐禅実修風景 坐禅実修風景
坐禅実習風景
正座で独参(老師との一対一問答)
正座で独参(老師との一対一問答)
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宝徳寺と枯山水庭園 宝徳寺と枯山水庭園 宝徳寺と枯山水庭園

宝徳寺と枯山水庭園    宝徳寺と枯山水庭園
宝徳寺と枯山水庭園
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