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プログラムレポート ~宇宙と「無」:星空観望と坐禅(第22期)~

2019年12月10日

赤城山中腹(標高約900m)にある宿
赤城山中腹(標高約900m)にある宿

EMPのハイライトの一つである「星空観望会」と「坐禅研修」が2019年12月6日から7日にかけて群馬県で行われました。
12月6日午後3時すぎに本郷キャンパスを出発して貸切りバスに揺られること約3時間、暗やみにつつまれた赤城山中腹の宿に到着。月が山に隠れて見えなくなる前に、まずは観望会場に直行しました。到着時、空には雲がかかっていましたが、雲の切れ間からのぞく月を観望することができました。

山の天気は変わりやすく、短い周期で晴れたり曇ったりでしたが、夕食後、次の日の公案のテーマのひとつにもなっているアンドロメダ銀河(M31)を一目みようと、外に出たところ、雲がすっと晴れ、地球から約230万光年の距離に位置するアンドロメダ銀河を肉眼でも確認することができました。 岡村定矩名誉教授(東大EMPチェアマン補佐)による解説で、アンドロメダ銀河だけでなく、プレアデス星団(すばる)の探し方を学び、フジノン大型双眼望遠鏡(富士フイルム製)等で見ました。

大型双眼鏡で見た月のクレーター(デジカメで撮影)
大型双眼鏡で見た月のクレーター
(デジカメで撮影)
星空観望の様子 星空観望の様子
星空観望の様子

高梨特任准教授によるプレゼンテーション
高梨特任准教授による
プレゼンテーション

星空観望の後は、室内で高梨直紘特任准教授による国立天文台が開発した4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka(ミタカ)」を用いたプレゼンテーションがありました。地球から宇宙の果てまでを自由に移動して俯瞰し、最新の研究や観測にもとづいて宇宙の姿を描いた「宇宙図」と併せて見ることで、私たちがどのような世界にいるのか、更に理解が深まったようです。

翌日(12月7日)、赤城山をあとに、群馬県桐生市の臨済宗建長寺派宝徳寺に向かいました。真義臨済宗 管長、元臨済宗大本山向嶽寺 僧堂師家・小島岱山老師による「絶対無の哲学」についての提唱、坐禅と公案(禅問答)の実習です。

茶禮で講話する小島老師
茶禮で講話する小島老師

小島老師との一対一の公案では、予め出された問いに対して、一人ひとり自分の考えを答えるものです。今回も代表的な『無門関』の「無字の公案」から問いが出されました。いったい何と答えてよいのやら、考えれば考えるほど分からなくなる問いですが、ヒントはアタマで考えるのではなく、創造的直観力で「主客一体」となるということだそうです。 この公案の実践は、ほとんどの受講生にとって初めての体験で、小島老師との熱い対話はかなりインパクトがあったようです。受講生からは、非日常的な体験を通し、体で感じ取っていくことの大切さを実感した得がたい体験だったという声が多く聞かれました。

5時間にもおよぶ坐禅実習は、脚の痺れや痛み、身に染み入るような寒さもありましたが、枯山水の庭園にいやされ、普段の座学から離れて夜空の下で壮大な宇宙に考えを馳せ、自然との一体感を味わいながら、坐禅や公案を通して自己の小宇宙と大宇宙を探求した2日間でした。

坐禅実修風景 坐禅実修風景
坐禅実習風景
正座で独参(老師との一対一問答)
正座で独参(老師との一対一問答)
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宝徳寺と枯山水庭園 宝徳寺と枯山水庭園 宝徳寺と枯山水庭園
宝徳寺と枯山水庭園
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