お知らせ
プログラムレポート ~生産技術研究所見学(第22期)~
2020年1月30日
第22期プログラムでは1月24日、駒場リサーチキャンパスにある東京大学生産技術研究所の施設見学を行いました。
生産技術研究所は、1949年の創設以来、一貫して工学のほぼ全領域を広くカバーする研究教育活動を展開しています。「生産技術」の名前の通り、それぞれの分野において卓越した研究成果の創出と社会への発信・還元を実践し、産学連携の活動を展開しているユニークな研究所です。
見学に先立ち、所長の岸利治教授から生産技術研究所の概要説明があり、その後、野城智也教授から「情報~建築とイノベーション~」、理事・副学長の藤井輝夫教授からは「テクノロジーの相互相関と発展~領域を越えるテクノロジー~海中ロボットからマイクロフルイディクスへ~」というテーマで講義がありました。
昼食会の後は、3つのグループに分かれ、八木俊介研究室、沼田宗純研究室、価値創造デザイン推進基盤、松永行子研究室の各研究室を見学しました。
八木研究室では、新しい発想に基づく蓄電池やありふれた元素で構成される高性能な電気化学触媒の研究・開発を行っています。八木准教授からはリチウムイオン電池が爆発的に普及した背景と様々な蓄電池用材料について説明していただきました。
沼田研究室では、災害対策トレーニングセンター(Disaster Management Training Center, DMTC)で災害対策における様々な枠組みや組織の役割や災害対応の在り方、業務の知識やノウハウを横断的かつ体系的に学びあうトレーニングプログラムを運営しています。受講生はDMTCで実施しているトレーニングプログラムの一部を体験し、災害対策における意思決定やマネジメントについて学びました。
価値創造デザイン基盤では、生産技術研究所とイギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートが協同で行うプロジェクトとして、2016年12月に設立されたRCA-IIS Tokyo Design Labを見学しました。 マイルス・ペニントン教授による説明の後、生産技術研究所で行われている研究の中から先端技術シーズを見つけ出し、アイデアを発展させて作成したプロトタイプの展示を見学しました。
松永研究室では、細胞・タンパク質・生体高分子などの生体関連要素を、人工的に組み立て・配置することで,高次な三次元組織構造を作製する「ボトムアップ組織工学」に関する研究を進めています。松永准教授による毛細血管と健康に関する説明の後、毛細血管スコープを使った指先の毛細血管の可視化を体験しました。
幅広い分野にまたがる研究室を訪問したことで最先端の実践技術に触れ、産学連携の最前線を体感することができた大変有意義な一日となりました。