教 育
表 紙
はじめに
研 究
インタビュー
その他いろいろ
リンク
2012年度の担当科目
大学院
経済政策史特論「政策思想史」
(夏学期2単位、金U)
比較経済史特論「欧州統合史」(総合文化研究科「欧州研究」プログラム・欧州統合史と合併)
(冬学期2単位、金U)
エグゼクティブ・プログラム
(夏・冬学期各2単位、土、大学院共通授業科目、学部学生も受講は可)
現代ヨーロッパ経済史教育プログラム
(CHEESE GRADUATE PROGRAMME
)
東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(東大EMP)
学 部
現代西洋経済史
(冬学期4単位、月T・木U)
学部演習
(通年4単位、金W)
2011年度の担当科目
2009年度の担当科目
2008年度の担当科目
2007年度の担当科目
2006年度の担当科目
2005年度の担当科目
2004年度の担当科目
大学院
経済政策史特論「政策思想史」
(夏学期4単位、金U)
政策の背後にいかなる思想が作用し、また、政策にいかなる価値観が表現されているのかに注目して、この2世紀の間の経済政策・社会政策等を政策思想史の観点から再構成する。現在の日本では政策と思想の関係はしばしば不明瞭にされるが、思想の作用がなければ問題は発見できないし、解決の方向性も政策目標も決定できない。この科目では近現代の政策思想を大きく二類型に概括したうえで、いくつかの事例に即して、思想の作用・表現と政策決定および施行過程の関係について考察する。
比較経済史特論「欧州統合史」(総合文化研究科「欧州研究」プログラム・欧州統合史と合併)
(冬学期2単位、金U)
本講義は、この1世紀ほど(19世紀末〜21世紀初頭、すなわち現代)のヨーロッパにおける対立・摩擦と協調・統合の要因とその相互関係を分析し、アジアの状況と比較することにある。現代ヨーロッパ史のユニークな点は、それが激烈な対立を繰り返しながらも、長期的な趨勢としては確実に協調と統合の可能性を開拓してきたところにあり、第二次大戦後のヨーロッパ統合の進展過程やEUの現状に目を向ける際にも、摩擦、軋轢、齟齬、対立の側面を忘れることはできない。
ヨーロッパが趨勢として協調と統合の方向に向かってきたことは否定できないが、本講義はその過程を、理性的な統合思想と「統合の父たち」に彩られた予定調和的な歴史としては描かず、19世紀以来の社会、経済、政治、学術等々さまざまな領域における共通経験の長い蓄積に注目し、対立と協調に作用した経済的条件、社会的条件、政治的条件、および、それら諸条件の相互関係に論及する。そうすることによって、密接な経済的相互依存関係は政治的対立を防止するとか、近代の国民国家や国益概念が衰退して統合が進展したなどの通俗的見解を批判的に検討するとともに、アジア統合の可能性を考える際に必要な論点を探ることもできるであろう。
また、今年度は特に、ヨーロッパにおける通貨、財政、福祉社会の三面での危機に注目して、その原因と発生態様について歴史研究の知見を用いて考察することにする。
学 部
現代西洋経済史
(冬学期、月T・木U)
1.講義の概要・目的 19世紀末から20世紀末までの欧米社会経済史を、諸国・地域間の対立・摩擦の側面と、経済統合に向かう側面とに注目しながら概観する。この講義では上の1世紀ほどの期間をいくつかの時期に区分して、各期の@世界システム(通貨・金融、資本移動、貿易・海運、人口移動、外交・軍事など)の特質、A各国・地域の内的条件(殊に労使関係、農業、失業・貧困問題)を概説したうえで、B国内問題が国際問題に、また国際問題が国内問題に転化する様相を明らかにして、Cそれらを解決・回避する方策がどのように模索されてきたかを論ずる。また、同時に、ヨーロッパ現代史・ヨーロッパ統合史に関する通説・俗説を批判的に検討して、謬説や嘘がどのように形成され流布するのかにも論及する。
おもにヨーロッパ諸地域を叙述対象とするが、世界システムや国際問題を扱うために、必要に応じてそれ以外にも論及する。19-20世紀において世界の人口と面積の大半を占めた植民地・第三世界だけでなく、殊に20世紀には、北米と日本はヨーロッパにとって無視できない外的要因である。
講義ではおよそ以下のようなテーマを論じる。
T 導入
1 課題と方法
2 19〜20世紀という時代
U パクス・ブリタニカの世界 −"nation-"の形成−
1 インダストリアリズム
2 「国民国家」・「国民経済」の言説
3 市場統合への動きと対立 −「自由貿易」体制−
V 19世紀末の変化と第1次世界大戦 −"nation-"の制約−
1 世界システムの変化 −「大不況」−
2 「国益」の論理転換 −保護主義・関税戦争−
3 世界市場と植民地
4 破局と組織化の経験 −第1次世界大戦−
W 戦間期と第2次世界大戦
1 もう一つの組織化 −社会主義−
2 逆行 −ヴェルサイユ体制−
3 戦時の経験の不可逆性 −1920年代−
4 世界経済の性格変化と大恐慌
5 再び組織化 −1930年代−
6 再び破局 −第2次世界大戦−
X 戦後秩序の形成と動揺
1 戦後構想と戦後
2 再建・改革と冷戦の開始
3 国際調整の仕組み
4 ヨーロッパ共同体
5 動揺と深化
6 再編と危機
Y 結語 ―現代の終焉―
講義案内
(2012年10月1日配付)
文献リスト
(2012年10月19日掲載)
現代西洋経済史受講者諸君にひとこと ―成績評価・レポートについて―
(2012年11月19日配布)
レポート表紙(.rtf)
レポート表紙(.pdf)
(2012年11月5日掲載)
「レポートの作成について」
(2012年12月20日掲載)
学部演習
(通年4単位、金W)
演習ガイダンス配付資料
テーマ:
「ユーロ危機の政策思想史 ―現代の終焉―」
ユーロ危機に象徴されるヨーロッパの経済的・社会的な閉塞状況を、経済史、殊に政策思想史の知見を用いて考察する。
まずは、ユーロ圏の金融通貨危機を、それと密接に関連する財政危機および福祉社会の危機と関わらせて実態を理解する。次に、そうした危機の実態が、アメリカ、日本、あるいはEU内のユーロ非加盟国(イギリス、スウェーデン)などの諸国が現に直面している危機といかなる位相の差を示しているかにも注意を向ける。これらの作業を踏まえて、ユーロ圏の複合的な危機の背景にいかなる政策思想が作用してきたのかを解明し、政策史的な観点から危機の現状を把握するとともに、現代(ほぼ20世紀)的なシステムが機能不全に陥っているにも関わらず、それが容易には終焉を迎えられない理由に論及することとしよう。問題は要するに代替システムを構想できないことにあるのだが、なぜそのような事態に立ちいたったのかが、本年度の演習の基本的な問いである。
なお、個人研究(卒論)のテーマは各自の選択に委ねるので、必ずしも上のテーマに縛られる必要はない。
お問い合わせ: