教 育
表 紙
はじめに
研 究
インタビュー
その他いろいろ
リンク
2016年度の担当科目
大学院
国際経済T
(Sターム2単位、月V)
現代欧米経済史「欧州統合史」(総合文化研究科「欧州研究」プログラム・欧州統合史と合併)
(Sターム2単位、水U)
経済史演習「人・労働・生活・移動の社会経済史T・U」
(S/Aターム各2単位、金U)
現代ヨーロッパ経済史教育プログラム
(CHEESE GRADUATE PROGRAMME
)
東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(東大EMP)
学 部
上級国際経済T
(Sターム2単位、月V)
学部演習「成長戦略の動態的歴史 ―効果と副作用― 」
(通年4単位、金X)
2015年度の担当科目
2014年度の担当科目
2013年度の担当科目
2012年度の担当科目
2011年度の担当科目
2009年度の担当科目
2008年度の担当科目
2007年度の担当科目
2006年度の担当科目
2005年度の担当科目
2004年度の担当科目
大学院
国際経済T
(S1・S2、月V)
国際経済を次の3つの視点から論じる。T現代経済の二つの起源と二つの性格(小野塚知二)、Uデンマークの国家と市場 ―労使関係を基軸として(菅沼隆)、V世界の中のアメリカ経済(柴田徳太郎)。
T現代経済の二つの起源と二つの性格:@二つの起源(1):介入的自由主義と分断されたグローバル経済、A二つの起源(2):二つの起源の統合:第一次世界大戦と1930年代、B二つの性格:保護と自由、Cヨーロッパ統合の経験とアジア・太平洋地域
Uデンマークの国家と市場 ―労使関係を基軸として:T現代デンマークの国民経済・国家構造、Aデンマークの労使関係とコーポラティズム、Bフレクシキュリティの構造と基盤、Cグローバル化と福祉国家の変容
V世界の中のアメリカ経済:@現代アメリカ経済を分析する方法法、A大恐慌防止体制の確立と行き詰まり、Bサブプライム金融危機はなぜ起こったのか?、Cグローバル・インバランスと国際金融危機
シラバス
現代欧米経済史「欧州統合史」
(S1・S2、水U)
本講義は、この1世紀ほど(19世紀末〜21世紀初頭、すなわち現代)のヨーロッパにおける対立・摩擦と協調・統合の要因とその相互関係を分析し、アジアの状況と比較することにある。現代ヨーロッパ史のユニークな点は、それが激烈な対立を繰り返しながらも、長期的な趨勢としては確実に協調と統合の可能性を開拓してきたところにあり、第二次大戦後のヨーロッパ統合の進展過程やEUの現状に目を向ける際にも、摩擦、軋轢、齟齬、対立の側面を忘れることはできない。
ヨーロッパが趨勢として協調と統合の方向に向かってきたことは否定できないが、本講義はその過程を、理性的な統合思想と「統合の父たち」に彩られた予定調和的な歴史としては描かず、19世紀以来の社会、経済、政治、学術等々さまざまな領域における共通経験の長い蓄積に注目し、対立と協調に作用した経済的条件、社会的条件、政治的条件、および、それら諸条件の相互関係に論及する。そうすることによって、密接な経済的相互依存関係は政治的対立を防止するとか、近代の国民国家や国益概念が衰退して統合が進展したなどの通俗的見解を批判的に検討するとともに、アジア統合の可能性を考える際に必要な論点を探ることもできるであろう。
また、今年度は特に、ヨーロッパにおける通貨、財政、福祉社会の三面での危機に注目して、その原因と発生態様について歴史研究の知見を用いて考察することにする。
授業計画
T 導入・目的・方法
U 相互依存的世界経済とその破綻
1 相互依存的グローバル経済の展開 ―19世紀のヨーロッパと世界―
2 帝国主義・対立と相互依存 ―第一次大戦前のヨーロッパと世界―
V 二つの大戦と戦間期の経験
1 破局と組織化の経験 ―第一次世界大戦―
2 「常態への復帰」か「戦時」の不可逆性か?
3 世界経済の性格変化と大恐慌 ―協調の可能性と破綻―
4 再び組織化と破局 ―国際金融協調の実験―
W 戦後秩序の中でのEC/EUの形成と進化
1 戦後構想と戦後
2 ヨーロッパの再建・国際協調と冷戦
3 ヨーロッパ共同体
4 動揺と再編
5 市場統合と通貨・金融面の調整
6 福祉社会の危機
7 財政・通貨危機
X 結語と補論:統合史における軍事・兵器産業
経済史演習「人・労働・生活・移動の社会経済史T・U」T
(S1・S2、月V)
講義題目にかかわる最近の研究成果を読むとともに、古典の再読や、参加者の個人研究の発表などを適宜組み合わせて、各自の研究の刺激となることをめざす。
学 部
学部演習
(通年、金X)
演習ガイダンス配付資料
(2016年4月8日配布)
テーマ:
「成長戦略の動態的歴史 ―効果と副作用― 」
概要: 現在の日本は長い平成不況からの脱出を目指しているが、必ずしもはかばかしい効果をあげることに成功してはいない。今年度の演習では、過去の多様な事例を参照しながら、長く深刻な不況を克服する政策の成否と副作用について、以下三つの問いを立てて、動態的に考察する。@成長戦略はどのような動態的な過程を経て、効果を発揮し、効果を失い、また副作用をもたらしてきたのか。A成長戦略の二つの型(投資主導型と消費・生活主導型)はどのようにして交替・転換したか。Bそもそも、「成長」とは何か、なにゆえ必要なのか。「成長」に限界はないのか、「定常状態」への安定的な転換を目指すべきではないのか。
具体的には、(1)まず、1920年代のイタリア、ソ連、1930年代のドイツ、フランス、アメリカ、イギリス、日本、さらに1950〜60年代の欧米諸国と日本の成長戦略(恐慌対策・不況克服策、復興政策、所得倍増計画など)の諸事例を研究し、それらをいくつかの型に分類してみよう。(2)次に、それらの政策の短期的および長期的な効果と、副作用(輸出依存経済への傾斜・近隣窮乏化政策、軍事依存経済への変質と戦争の危機、無駄な公共事業と膨大な在庫・滞貨の蓄積等々)がいかに発生するのかを、型ごとに分析する。(3)最後に、ごく簡単に、この数年の日本で採られてきた成長戦略の歴史的な位置や特性、そこに欠けている視点や要素は何かといった問題を検討して、各自が現在を理解し、将来を良い方向に変えるための武器として歴史を使いこなす力を養ってもらいたい。
なお、個人研究・卒論のテーマは各自の選択に委ねるので、必ずしも今年度の演習のテーマに縛られ、また、それに配慮する必要はない。各自のテーマ選定は自由だが、テーマによって研究しやすいもの、しにくいもの、2年程度で卒論執筆にまで到達しがたいものなどあるので、とりあえずのテーマを決めるにあたっては、事前に相談されたい。
授業計画: 導入部は講義で、20世紀の成長戦略の諸事例を概観し、主たる論点を提示する。その後、Sセメスタは、さまざまな文献を読みながら、上述の(1)と(2)を進める。(3)にはA1セメスタの数回を当てる。また今年度のテーマに関連した複数の課題について小報告をしてもらうので、調べ、まとめ、発表する技法を磨いてほしい。Aセメスタの残り(および9月の合宿)は個人研究の中間発表に当てる。
授業方法: 各自が個人研究をおもしろい卒論にまとめることを最終目標とし、そのために、文献・資料を調べること、口頭で発表することと、学問的な文章を書くことを繰り返し指導し、訓練する。
教科書: 今年度は、特に一冊ないし数冊の教科書を定めることをせず、過去の成長戦略の事例ごとにさまざまな文献を読む。
申込書類:これまでに読んだ書物と履修した講義の中で印象に残っていること、関心の所在と研究してみたいテーマ、および、この演習を志望する理由の3点を2,000〜4,000字程度のエッセイ(A4横書き)にまとめ、学部所定の書類とともに提出されたい。 選考方法:提出書類によるが、面接をすることもありうるので、提出書類に必ずメイル・アドレスを明記されたい。 新規募集人員:10名 平成29年度以降の開講予定の有無:開講予定。なお、4年次からの新規参加は妨げないが、その場合は書類提出に先だって個別に相談されたい。 HP:http://www.onozukat.e.u-tokyo.ac.jp/educational_j.html
演習教材(PDFファイル)
小野塚ゼミ同窓会のページ
お問い合わせ: